2010年2月9日
前回お知らせした、河北新報「気仙沼地域版リアスの風」に掲載された、磯村の古くからの知人である横山英子さん(「街角仕事人くみあい」代表)によるエッセイをお届けします。
なお、この文中に出て来る仏具店は「ほこだて仏光堂 仙台泉店」です。
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横山英子さん(「街角仕事人くみあい」代表)
気仙沼市出身の親友の実家であるホテルを訪れたとき、一枚の凧の前に釘付けとなった。
太陽と波が描かれ、その姿がとても力強く、どこか暖かい。気仙沼では凧ではなく「天旗(てんばた)」と呼ぶという。冬の安波山から内湾、太平洋に向かって吹く強い風が凧揚げには最高らしい。
気にかけて街を歩くと、あっちこっちに元気な天旗が揚がっている。「日の出凧」「屋号凧」「からげい天旗」など伝統的なものから、河北新報のキャラクターをあしらった「かほピョン凧」のような創作凧まで。商売繁盛、大漁祈願、航海安全、家内安全の願いを込めて揚げるという。
さすが、気仙沼らしい風習である。自分の家族だけではなく、地域のみんなが、航海している方々を高く掲げた天旗から見守っているのだ、と思いを巡らす。
一昨年の暮れに仙台のある仏具店のディスプレイにいかがか、と「気仙沼凧の会」代表の加藤斉克さんを訪ねた。気仙沼から仙台への天旗の「お嫁入り」にご同意いただき、丸森町で育ったモウソウ竹とのコラボレーションが実現した。
加藤代表がよりすぐった数々の天旗。店内の装飾を依頼された東京のディスプレイデザイナーが印刷された武者絵の凧を用意していたが、すっかりかすんでしまいお蔵入りに。「日の出凧」や「カツオの凧」が仙台市内の仏具店内に所狭しと泳ぎ、活気が満ちあふれている。
予想以上の千客万来。初売りでは開店以来の売り上げ新記録を樹立したとか。丸森町生まれの店長は、初めてお目にかかった気仙沼の天旗の持つパワーに驚いた。
今年もお迎えしたいと懇願し、加藤代表作の「日の出凧」が今も店の天井を突き破るかのように揚がっている。気仙沼では当たり前の天旗は、2年続けて仙台の街中に活気を呼び起こし、私達を見守ってくれている。
天旗にすっかり魅せられた店長は、21日に気仙沼市の商湾岸壁で開催される『第23回 気仙沼天旗まつり』に家族を連れて行くという。たくさんの人を魅了する天旗をこの目で確かめ、その思いをたくさんの人に伝えたい。今度は自分たちで天旗を造り、気仙沼の大空に揚げ、ある夢を託したいという。
加藤代表らがつないでくださった気仙沼と仙台と丸森とのきずな。今年は仙台で天旗創作ワークショップを開催する予定だ。
気仙沼がはぐくんだ文化は街を飛び出し、仙台で成育中だ。大島のつばきマラソンには毎年参加している私。今年は気仙沼の大空デビューも果たそうかな。
